こんにちは!板橋店トレーナーの塩入です。
現代社会のような高ストレス環境下では、ストレス解消のためについ食べすぎや飲みすぎてしまいがちですよね。それを甘えと捉え、自己嫌悪に陥ってしまうお客様もいらっしゃいます。このような場合、もしかしたらセロトニンのレベルが低下しているのかも知れません。では、そもそもセロトニンはどのような物質なのでしょうか?
セロトニンは、ストレスを管理するホルモン
セロトニンは、気分の安定、感情の制御、食欲の調整、睡眠の質向上などに関与する神経伝達物質です。ストレスに対抗し体を闘争モードにさせるノルアドレナリンと、ストレスが去った時体をリラックスモードに移行させるドーパミンの放出をコントロールする働きがあります。
セロトニンは主に脳の中枢神経系と腸内に存在し、自律神経の調整に関与します。セロトニンの適切なレベルは、以下のような効果をもたらします
- 気分の安定:セロトニンは気分の調整に重要で、低レベルではうつ病や不安症状が現れることがあります。
- 食欲の調整:セロトニンは満腹感を促し、食欲の制御に寄与します。
- 睡眠の質向上:セロトニンはメラトニンの前駆物質であり、睡眠リズムの調整にも関与します。
慢性的なストレスが掛かる状況では、ストレス管理ホルモンであるセロトニンが枯渇し、ノルアドレナリンとドーパミンの放出をコントロールできなくなる、いわゆる自律神経の乱れ、自律神経失調症などを引き起こします。また、ストレスホルモン(コルチゾール)の過剰分泌が、セロトニンの合成を抑制します。
食べすぎや、飲み過ぎとの関係は?
食べ過ぎとの関係
- 食欲の制御不全:セロトニンは食欲の抑制に関与しており、セロトニンが不足すると満腹感を感じにくくなり、過食に繋がります。
- 甘いものや高脂肪食品への欲求:低セロトニンレベルは、炭水化物や甘いもの、高脂肪食品への強い欲求を引き起こします。これらの食品は一時的にセロトニンレベルを上昇させるため、過食が続くことがあります。
また、ストレスが原因で食べすぎてしまうこともあります。
コルチゾールの分泌増加:ストレスに対抗するために体が作り出すホルモンであるコルチゾールは、食欲を増進させる作用があります。特に高カロリーや高脂肪の食べ物を欲する傾向が強まります。
食欲制御の低下:ストレス下では、食欲抑制ホルモンであるレプチンの働きが低下し、過食に繋がることがあります。
飲みすぎとの関係
- 一時的なセロトニン増加:アルコール摂取は一時的にセロトニンのレベルを上昇させ、気分を良くします。しかし、長期的にはセロトニンの生成を妨げ、バランスを崩します。
- ストレスとセロトニン:ストレスはセロトニンの枯渇を引き起こすことがあり、ストレス解消のためにアルコールを摂取することで依存に陥るリスクが高まります。
セロトニンを増やす食生活とは?
セロトニンの生成には、以下の微量栄養素が重要な役割を果たします。
- トリプトファン
- 役割:トリプトファンはセロトニンの前駆物質であり、必須アミノ酸の一つです。体内でセロトニンに変換されます。
- 食品:鶏肉、卵、乳製品、ナッツ、種子、大豆製品、魚、バナナ。
- ビタミンB6(ピリドキシン
- 役割:ビタミンB6はトリプトファンからセロトニンを合成する過程で重要な補酵素として働きます。
- 食品:鶏肉、魚(サーモン、ツナ)、全粒穀物、豆類、バナナ、ほうれん草、じゃがいも
- ビタミンB3(ナイアシン)
- 役割:セロトニンは、ナイアシンと同じ必須アミノ酸のトリプトファンから生成されます。その優先順位はナイアシン>セロトニンですから、ナイアシンが不足する場合、セロトニンが生成されなくなります。
- 食品:鶏肉、マグロ、ピーナッツ、マッシュルーム、全粒穀物
- マグネシウム
- 役割:マグネシウムは神経伝達の調節やトリプトファンの代謝に関与し、セロトニンの生成を助けます。
- 食品:ナッツ(アーモンド、カシューナッツ)、種子(ひまわりの種、かぼちゃの種)、ほうれん草、ダークチョコレート、豆類
- 亜鉛
- 役割:亜鉛は脳の健康を維持し、セロトニンの生成と放出に関与します。
- 食品:カキ、牛肉、かぼちゃの種、ひよこ豆、ナッツ、乳製品。
- ビタミンD
- 役割:ビタミンDはセロトニンの合成を促進し、精神的な健康を支えます。
- 食品:脂肪の多い魚(サーモン、マグロ)、強化乳製品、卵黄。また、日光を浴びることで体内で生成されます。
特に重要なのは体内でセロトニンに変わるトリプトファンです。鶏肉や赤身の魚を積極的に摂ること、そしてナッツ類を食べることでセロトニン生成に必要なビタミン・ミネラルを効果的に吸収できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、ストレスにより幸せホルモンであるセロトニンが不足すること、体をリラックスモードに移行させるために食事やアルコールに頼ってしまうことについて説明し、食事の面からストレスに対抗する方法を記載しました。
食べ過ぎたり飲みすぎたりしてしまう方は、ダイエットを行う前に食事の栄養バランスを見直すと良いかも知れません。
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